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おしえて!瞳のギモン

第13回目コンタクトレンズのしくみ

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが、
ひがしはら内科眼科クリニック・副院長 東原尚代先生監修のもと、編集しています。

※本文中、ハードコンタクトレンズを「ハード」、ソフトコンタクトレンズを「ソフト」と省略して表記しています

ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの違いって?(質問者:おむすびっこさん、すいかさん、ゆうり109さん、ルーラーさん、いぶさん、かほりさん、ぺそさん、かーさん、羊さん、まりぽん☆さん、りょーやんさん、中野さん)

大きな違いは、まず素材。ハードは、主にシリコーン系やフッ素系の硬い素材を用いた、酸素を通すプラスチックでできています。目に必要な酸素がたくさん通るのが利点の一つです。ソフトは主にHEMA(ヘマ)と呼ばれる、水分を含んだ柔らかいプラスチックでできており、つけ心地のよさが特徴です。レンズに含まれる水分が多いほど酸素がたくさん通りますが、乾きやすくなるという課題も。最近では、シリコーンとHEMAの特徴をあわせ持つ新素材「シリコーンハイドロゲル」が登場し、ハードと同等またはそれ以上の酸素透過が期待できるようになりました。
次にレンズの大きさも違います。ハードは角膜よりも小さい9mm程度。まばたきのたびにレンズが黒目(角膜)の上を動いて、レンズと角膜の間にある涙がたえず交換されるので、涙に溶け込んだ酸素が目に行き届きやすいという特徴があります。また、強い乱視や近視の矯正に優れています。一方、ソフトは角膜よりも大きい13~15mmで、ズレにくく落ちにくいという特徴があります。
ハードかソフトかを選ぶ基準は、屈折状態(乱視や近視の程度)や、涙の量や質、生活環境(スポーツをするかなど)、予算や手入れのしやすさなどがあり、何を重視するかによって、その人に合うタイプは変わってきます。コンタクトレンズが初めての人は、装用感のいいソフトコンタクトレンズのほうが、使いやすいかもしれません。どちらのタイプが適応になるのか眼科でよく相談して選びましょう。

<ほかにもこんな違いがあります>
◎ハードにも使い捨てタイプはある?
ソフトには1日使い捨てや2週間交換タイプなどがありますが、ハードは1枚のレンズをケアして使用します(レンズ寿命は2~3年程度)。

◎強度近視や乱視に対応できる?
ソフトにも乱視用のレンズがありますが、強度の近視、円錐角膜や角膜不正乱視といった複雑な乱視の場合は、ハードでないと矯正ができません。

ソフトコンタクトレンズ レンズが角膜より大きい

乱視用コンタクトレンズは、どうやって乱視を矯正するの?(質問者:クマのすけさん、おまえさんさん、はなはなみんみんさん、まゆ74さん、ぐぐさん、ゆうさくさん、とひなたさん、アインズさん、いまちゃんさん、はおちゃんさん)

乱視は、角膜が球形ではなく、ラグビーボールのような歪んだ形になっていることで起こります。角膜の縦と横で屈折力が違うため、網膜上でピントを1点に合わせることができずに物がぶれて見えるのです【図1】。このような乱視を「正乱視」といい、ハード、ソフトどちらのコンタクトレンズでも矯正できます。一方、角膜の表面がデコボコになっているために起こる「不正乱視」では、ソフトコンタクトレンズでは矯正できず、ハードコンタクトレンズでの矯正が適しています。
乱視用コンタクトレンズは、特定の方向の光のみを屈折させることのできる「円柱レンズ」を使って乱視を矯正します【図2】。たとえば、角膜の縦の屈折力が強い場合、縦方向の光を円柱レンズで網膜上に焦点を合わせることで、角膜の横から入った光と1点で焦点を結ぶようになります。
このように乱視矯正の場合、角膜の歪みの「向き」と円柱レンズの「向き」をぴったり合わせることで、初めて乱視を矯正できます。そのため乱視用のレンズには、たとえ寝っ転がったり、首をかしげたりしても、レンズが目の中で正しい位置(方向)に安定するようにさまざまな工夫がされています。

人の目の形は人それぞれ。ソフトコンタクトレンズの種類ってどれくらいあるの?(質問者:クーボさん、おむすびっこさん、かったんさん、りりママさん、なずきち母さんさん、あめさん)

角膜の曲がり具合(カーブ)は人によって若干異なるため、快適な装用感を得るには、角膜の形状に合ったコンタクトレンズを選ぶことが大切です。コンタクトレンズのカーブは、BC(ベースカーブ)という単位で示されます。ソフトコンタクトレンズのBCの種類は、製品によって異なりますが、だいたい1~3種類。BCはmm単位で表示され、数値が大きいほどカーブがフラット(平ら)になります。角膜のカーブに対してBCが大きすぎるとゆるくなり、レンズがずれやすく感じることがあります。逆にBCが小さすぎるときつくなり、締めつけ感を感じて装用感が悪くなることがあります。
ソフトコンタクトレンズは、BCの種類がそれほど多くありません。素材がとても柔らかいので目になじみやすく、装用に与える影響が少ないためです。ちなみに角膜の大きさは、だいたい11~12mm。ソフトコンタクトレンズは、角膜と角膜の周辺(輪部)を覆う13~15mmです。それに対してハードコンタクトレンズは素材が硬く装用に影響が出やすいためBCの種類が多くなっています。
目のカーブは眼科で検査を受けないとわかりません。自分の目にあったレンズを眼科医に処方してもらいましょう。


BC(ベースカーブ)の
値が大きい
||
コンタクトレンズの
カーブがゆるい


BC(ベースカーブ)の
値が小さい
||
コンタクトレンズの
カーブがきつい

コンタクトレンズは誰がいつ発明したの? 語源は?(質問者:ほりまゆさん、ナカハルさん、かおまるさん、いまいあきこさん、あやふなさん、ちもさん、ペルさん)

およそ500年前、ルネッサンス期の天才発明家レオナルド・ダ・ビンチは、球形のガラス容器の中に水を入れ、水面に顔をつけてどのような像が見えるかを実験しました。一説には、これがコンタクトレンズの原理を示す最初のものと言われています。
その後、最初のコンタクトレンズを作製したのは、チューリッヒの眼科学・生理学の講師だったオーゲン・フィックで、1888年に発表した論文名(“Eine kontactbrille”)が「コンタクトレンズ」の語源といわれています。
初期のコンタクトレンズは、ガラス製で固く、大きくて分厚いものでしたが、1940年代にコンタクトレンズ用のプラスチック素材が開発されたことにより、ハードコンタクトレンズが一般に普及し始めます。その後もレンズの改良が重ねられ、1960年代には装用感の良さを求めて水分を含んだ柔らかな素材、HEMAが開発され、ソフトコンタクトレンズが登場しました(瞳のギモン第13回Q1参照)。
1987年に、アメリカで世界初の使い捨てソフトコンタクトレンズが誕生し、1991年には使い捨てコンタクトレンズが日本で初めて販売されました。そして、2010年には、酸素透過性に優れたシリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てコンタクトレンズが世界で初めて登場。このように、ソフトコンタクトレンズは改良が重ねられ今なお進化しつづけています。

酸素はどうやってコンタクトレンズを通るの?(質問者:ふみ3さん、もみの木さんさん、けいすけさん、TPBさん、イナムーさん)

角膜には血管がないため、角膜は、大気中の酸素が溶け込んだ涙を介して、必要な酸素を取り入れています。酸素が不足すると、目が充血したり角膜表面に傷がつきやすくなったり、感染症を起こしやすくなるなど、さまざまな目のトラブルにつながります。
一般にコンタクトレンズを装用すると、裸眼のときに比べて角膜への酸素供給は低下します。角膜の健康を維持するためには、コンタクトレンズの中を酸素が十分に通るかどうかが重要になります。
ハードコンタクトレンズの場合、酸素はレンズ素材内を通って角膜に届けられるだけでなく、まばたきでレンズが動いて涙が循環することで涙にとけこんだ酸素が角膜に供給されます。一方、ソフトコンタクトレンズの場合は、まばたきでわずかに「たわむ」程度で、ハードとちがって大きく動きません。そのため主にソフトコンタクトレンズ素材内を通る酸素が角膜に供給されますが、レンズの素材によって若干、そのしくみが違います。HEMAという素材の場合、レンズの素材内に水分を多く含んでおり、主にその水分に溶け込んだ酸素が角膜に届きます。つまりHEMA素材では、酸素がどれくらいレンズを通るかは、水の酸素の溶けやすさや、レンズに含まれる水分量によって変わってきます。一方、シリコーンハイドロゲル素材は、ハードとHEMAの両方の特徴を持ち合わせていて、酸素がレンズ素材内の水分とくっついてレンズを通り抜けるだけでなく、酸素が素材内をそのままダイレクトに通り抜けるため、HEMA素材よりも多くの酸素が角膜に届けらます。
どれくらいの酸素がレンズを通るかを示した指数を「酸素透過率(Dk/L値)」といいます。酸素透過率が高いほど、たくさんの酸素が目に届きますので、レンズ選びの際には酸素透過率をチェックしておくと良いでしょう。