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1Day小説

結果発表

たくさんのご応募
ありがとうございました。
応募いただいた1961作品の中から、
次の作品が受賞となりました!


「1-Day小説大賞」は当初の予想を上回り、
たくさんのご応募をいただきました。
審査員による審査の結果、
11作品を選出いたしました。
ここに各受賞作品の発表をさせていただきます。

受賞作品をまとめた冊子が

三省堂書店 神保町本店・
池袋本店・
有楽町店・
京都駅店で
2017年2月中旬より
配布されます。

ご期待下さい。

賞作品をまとめた冊子
※イメージ

最優秀作品賞

賞金30万

Autour

山崎りんどう

Theme1 - 過去と今

30年ぶりのあの場所

まだ学生だった、30年前のあの日。
あの人とのはじめてのデート。

「素顔のほうがかわいい」と言われたから、
眼鏡をコンタクトレンズに変えた。

ドキドキしながら、駅前で彼を待った。
あの駅に、もう一度行ってみようと思った。

わたしは完成したばかりのタイムマシンに乗り込んだ。
大学教授をするかたわら、ひそかにこのタイムマシンの開発に取り組んでいた。純粋な興味、研究者としての挑戦。開発理由はいくつもあるが、いちばんはあの日にもう一度行きたかったからかもしれない。
マシンが到着を告げた。駅へ向かうとまだ自分の姿はない。しかし意外な人物を発見した。彼だ。おかしい。確かあの日、彼はあとに来て「遅れてごめん」と謝っていたはずだ。
そこへ30年前のわたしが現われた。彼はさっとビルの影へと隠れた。
「えーっ!」
思わず声が出そうになった。彼は影からわたしをのぞき見ていた。慣れない素顔を鏡で確認する姿、笑う練習、口紅の塗りなおし。すべて見られていた。
顔が熱くなるわたしの肩を誰かが背後から叩いた。驚いて振り向くと、夫が立っていた。
「あなた、ぜんぶ見ていたのね」
「今日もね」
タイムマシンの共同開発者である科学者の夫はそう笑った。この時代に先に来て、わたしを待っていたらしい。あの日と同じように。いつも一枚上手で憎たらしいが、そんな夫が変わらず好きだ。過去のふたりをあとにして、わたしたちは未来へと帰った。

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三省堂書店 池袋本店 女性

三省堂書店 池袋本店
勤務歴9年 女性

長編はコク、短編はキレ。小説家・中山七里さんの名言です。この作品は、短編も短編、一般的なショートショートよりも短い分量しかありません。その中で、SF的状況を説明し、わたしのかわいらしさと、夫への愛情、二人の素敵な関係性を表現して、さらにどんでん返しをキメています。これはとても高度な技です。とにかくラストが、キレッキレです。

短い物語は、どうしても人物が記号的になってしまいがちですが、私には見えるのです。好きな人にかわいく見られたいと必死に鏡を覗き込むわたしも、そんな彼女を愛しげに見つめる夫のまなざしも。そしてそんなふたりが仲良く生きてきた30年間も。オチのキレだけでなく、テンポの良い会話によるのど越しも、仲睦まじく未来へと帰っていくしあわせな後味も一級品レベルです。文章にはない物語を想像すれば、長編のようなコクも感じられました。ごちそうさまです

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三省堂書店 有楽町店 女性

三省堂書店 有楽町店
勤務歴10年以上 女性

このご夫婦は、30年前も今も、そして未来もきっとドキドキで溢れているはず。愛おしさいっぱいで、とにかく読後に残る温もりが心地よいほのぼの小説でした。 どれだけ相手のことが好きか、好きの度合いを競うなんて、お互いを思いあっている証拠。

このご夫婦は、タイムマシンの開発を行っているという設定。だけど、このタイムマシンに乗って、未来に行く必要はないんだろうなぁ。だって、未来だって絶対にドキドキで溢れている二人でいられると思うもの。そんな予感がする小説でした。

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三省堂書店 京都駅店 女性

三省堂書店 京都駅店
勤務歴13年 女性

「お、やっぱりな!」 最終審査結果を見て、納得と満足でいっぱいでした。この作品だけが他の作品と違う個性を出していて、迷い無く最高点を付けられた作品でした。 ささやかな日常を描いた作品が多い中、タイムマシンというSFをぶっこんできた冒険心と野心がまずすばらしい!

しかもテーマとの一致性と、短いながらもしっかりと物語として機能しているところがうまい!起承転結が見事にはまっているのです。 共通書き出しの起、微笑ましい承、思いがけない転、幸せな結。いやはや、お見事でした!

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三省堂書店 営業本部販売促進担当 男性

三省堂書店 営業本部販売促進担当
勤務歴25年 男性

この構成は見事!上手い、巧すぎる!その完成度の高さに率直に驚かされた。タイムマシンを使って巧妙に過去と現在と未来を結びつけ、何気ない素顔だけでなく、二人の愛情の揺るがぬ強さを確かめる。そのテクニックが素晴らしい。

デートの直前に化粧直しをする彼女、先回りしてその姿を見守る彼、その二人が後の夫婦となり同じ行動をするなんて・・・これは何て粋な展開なのだろう。ショートショートの面白さ、その粋を極めたこの作品は、世代を越えて多くの方に読んでもらいたい!

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三省堂書店 神保町本店 女性

三省堂書店 神保町本店
勤務歴20年以上 女性

ショートショートとしてよくまとまっていて、とても面白かった。
SF でありながら、どこかノスタルジーを感じさせる内容。
若い自分をのぞき見するドキドキと、気恥ずかしさを共有できた。

おそらくは主人公の「わたし」も大変優秀なのだろう。そしてさらに上をいく、クールで、なのに彼女がかわいくてしたかがない夫。
二人の活躍をもっと読んでみたい。この作品をオープニングとし、短編集ができたら、面白いと思う。

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辛酸なめ子

辛酸なめ子
(漫画家・コラムニスト)

短い文章でSF的な展開という上級者テク。異空間にトリップできました。タイムマシンで今の夫との初デートに行きたいとは、良好な夫婦関係である証。幸せ感に包まれるストーリーです。愛があるからいいですが、もし夫婦関係が悪かったらホラーな展開にもなりそうな可能性を秘めています。

優秀作品賞

賞金30万

Autour

らるご51

Theme1 - 過去と今

30年ぶりのあの場所

まだ学生だった、30年前のあの日。
あの人とのはじめてのデート。

「素顔のほうがかわいい」と言われたから、
眼鏡をコンタクトレンズに変えた。

ドキドキしながら、駅前で彼を待った。
あの駅に、もう一度行ってみようと思った。

出がけに家の前の階段でつまづいた。
足を挫いた。これでは、今日は出かけられない。
代わりに私が行って、写真撮ってきてあげるよ、と孫が言う。

夜、孫が帰ってきた。
スマホで見せてくれた写真に写っていたのは
確かに、懐かしいあの駅の風景。
そして、
なぜか、そこに写っていた、あの人。

ああ、その人ね、駅で知り合ったの。
いろいろ話して、なんか仲良くなっちゃったよ、
と、むかしの私そっくりの孫が、少し照れくさそうに答えてくれた。
孫のコンタクト越しの瞳に映る私まで、なんだかむかしの私みたい。

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三省堂書店 勤務歴25年 男性

三省堂書店 有楽町店
勤務歴10年以上 女性

“コンタクトレンズを装着したら視野が広がった”“新しい世界が開けた”という応募作品が多い中、“コンタクトレンズ越しの瞳に写る自分の姿を見る”という視点が珍しく、新鮮さを感じた小説でした。

おそらく、お孫さんは10代の女の子(と勝手に推測)。おばあちゃんは、30年前と同じ場所で同じ顔立ちの男性と仲良くなったお孫さんを見て、30年前に感じたドキドキをお孫さんと共有した気持ちなんでしょうね。お孫さんもきっと、『今のおばあちゃん、私にそっくり』と思っていそうな、幸せな小説でした。

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辛酸なめ子

辛酸なめ子
(漫画家・コラムニスト)

30年前デートして、結婚、出産、子孫繁栄。その孫が結構育っているとは、かなり若くしてスピード婚だったのでしょうか。おめでたいというかうらやましいお話です。恋愛、そして結婚には勢いが必要なのだと学ばされるストーリーです。駅で出会った人を好きになれるという恋愛スイッチも……。

賞金10万

Autour

あきよしみねこ

Theme1 - 過去と今

30年ぶりのあの場所

まだ学生だった、30年前のあの日。
あの人とのはじめてのデート。

「素顔のほうがかわいい」と言われたから、
眼鏡をコンタクトレンズに変えた。

ドキドキしながら、駅前で彼を待った。
あの駅に、もう一度行ってみようと思った。

あれから30年。
卒業して、社会人になって、結婚して。
忙しさに流され、すれ違い、疲れてしまった私は、もう素顔を出せずに、ずっと眼鏡で過ごしている。

あの時、コンタクトレンズにした私をすぐに見つけてくれた彼と、ドギマギして彼を直視できなかった私ー。

そんな事をぼんやり思い出しながら、小雨と夕暮れが入り雑じった空を見つめる。

いつもの私なら、絶対にこんな事しないけど。

久しぶりにコンタクトレンズをつけて、あの駅で彼を待ってみる。


改札の人込みの中、すぐに私を見つけ、驚いた顔で小さく手をふる彼。
男物の傘を手にしたまま、軽くふり返す私。

あの人、あの時と同じ表情をしてる。
思わず、顔が熱くなった。

「…あなた、お帰りなさい」

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三省堂書店 勤務歴25年 男性

三省堂書店 営業本部販売促進担当
勤務歴25年 男性

もらい泣きという言葉はあるが、思わずもらい赤面をしてしまったのがこの作品だ。 初めてのデート、その初々しさが眼前に蘇り、緊張感が手の震えまでも見えるようで生々しく、30年という時を越えて更に深まる愛情がとても素晴らしい。

こんな恋愛なら一生続いて欲しい、そんな気にさせられた。二人の距離をつなぐ心理描写や不安な気持ちを天候に置き換える情景表現、ラストの一行もとりわけ秀逸。ドラマチックな着地には大きな拍手を贈りたい。

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辛酸なめ子

辛酸なめ子
(漫画家・コラムニスト)

女性がコンタクトにした時の恥じらい、眼鏡でいいかなという気の緩みなど、女心の機微をうまくとらえていて、感情移入してしまいました。コンタクトで夫を迎えに行ったら三十年前の光景がフラッシュバック。普通は視力が上がったら夫の老化やアラが見えそうですが、若く見えるというのに愛を感じます。

賞金30万

Autour

なつ

Theme1 - 過去と今

30年ぶりのあの場所

まだ学生だった、30年前のあの日。
あの人とのはじめてのデート。

「素顔のほうがかわいい」と言われたから、
眼鏡をコンタクトレンズに変えた。

ドキドキしながら、駅前で彼を待った。
あの駅に、もう一度行ってみようと思った。

駅は都市開発が進み、高層ビルが立ち並んでいた。

そのなかにたたずむ一本の桜の木。まるで自分が主役だとでもいうように力強く花を咲かせている。

30年前、私は初めてこの木の下で告白された。真っ赤になった彼の顔は今でもはっきりと覚えている。
「懐かしいなぁ...」
木のそばに近づいてみると、『住民全員で勝ち取りました』と書かれた看板が立てかけられていた。

今から10年前、都市開発について住民と県で対立があったらしい。1人の男性が立ち上がり、住民を巻き込んでこの木を町のシンボルとして残した、と書いてある。

『これは僕の思い出そのものです。残せてよかった。』男性のコメントの横にある写真を見て、私は息を止めた。

それは彼だった。少しぽっちゃりとして老けてはいたけれど、あのときの優しそうな面影はそのまま残っている。

「ありがとう。」
私はその写真に向かってつぶやいた。
「ずっと来なくてごめんなさい。」

「ほんとだよ。」
彼の声が聞こえた気がした。

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三省堂書店 勤務歴25年 男性

三省堂書店
神保町本店 勤務歴20年以上 女性

書き出しから違和感なく読み進められた。
非常にこなれた読みやすい文書。短くまとまっており、それが心地よいテンポを作っている。
完成度が高く、短い話の中にドラマがある。

短文の区切りが、映像やコミックのコマ割の役割をはたし、読んでいて、想像力を書き立てる。
「彼」の性格や生活感を感じる。主人公の「私」には、大人の女のかわいさを感じる。
この作品のようなショートショートをもっと読んでみたい。

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辛酸なめ子

辛酸なめ子
(漫画家・コラムニスト)

環境問題についても考えさせる、意識の高いストーリー。木の下で告白した男性は、その後主人公にフラれたのでしょうか。見守って癒してくれた木への感謝を胸に、保護運動に励まれたのでしょう。そんな彼の写真と遭遇するとは、木の恩返し的な取り計らいでしょうか。ここから何か芽生えそうで、続きが読みたいです。

J & J章

賞金10万

Autour

MZA

Theme1 - 過去と今

30年ぶりのあの場所

まだ学生だった、30年前のあの日。
あの人とのはじめてのデート。

「素顔のほうがかわいい」と言われたから、
眼鏡をコンタクトレンズに変えた。

ドキドキしながら、駅前で彼を待った。
あの駅に、もう一度行ってみようと思った。

「は?ママが男の人にそんな事言われて素直に従ったの?嘘でしょ?」
「…若かったのよ」

就職した娘が一人暮らしを始めるのが、この思い出の駅の隣駅だった。

あれからいくつか恋をして、妻になり母にもなった。夫となった男とはわずか数年で終わり、女手ひとつというヤツで娘を育てた。

「ママ、またコンタクトにしなよ。今はすごく手軽だよ?ママ達の時代みたいに『煮出し』たりしなくていいし」

(…『煮出し』じゃなくて『煮沸』ね)

仕事と育児に追われ、手入れが面倒だからとコンタクトはとうに辞めていた。

「そうだ。最初のお給料で私が買ってあげる」

名案だとも言いたげに、娘が顔を輝かせる。

「それは楽しみね」

これから私は娘と別れ、特急に乗って独りになったあの家に帰るのだ。寂しい素振りは見せず、笑って娘に手を振ろう。

その日までに、洋服や化粧品も新調しようか。なんてったって、娘がコンタクトを買ってくれるんだから。

あの日のように、心が弾んだ。

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佳作

賞金5万

Autour

ともみ

Theme2 - 不惑を過ぎて

迷う

友人が老眼鏡をかけてスマホを見ている。
「やだ〜老眼鏡?私まだ大丈夫よ。」

それは嘘。本当はわたしも手元が見えにくくなっている。
…これが老眼のはじまりなのかな。
でもなんとなく言えない。
わたしは老化を受け入れることができない。

「うん、老眼鏡。だってよく見えるから。」
そう言い放った友人に、私は思わず聞いてしまった。
「・・・老眼鏡、恥ずかしくないの?」
スマホを見ていた目線を上げ、私を見つめながら彼女は言う。
「どうして?見たいものがよく見えない方が、もったいないでしょう?」
そして彼女の目線は再びスマホへ戻っていった。

そうだ、彼女はそういう人だった。周りに惑わされず、何にも囚われずに、ただ自分を貫いて生きている。
あれ、私にとって自分とはなんだろう?

私が想いにふけっていると彼女はふと思い出したようにこう言った。
「でも、あなたのように外見を気にする女性って素敵だと思うわ。」

彼女には一生、かないそうにない。

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賞金5万

Autour

リヨン

Theme3 - 新たな挑戦

もう一度、もう一歩

今日から新たな挑戦をする、と決めた。
今からでも遅くない。
だっていま、この瞬間が一番若いのだから。

新たな挑戦その1・・・

「ピアノ独奏会」
60歳になる私。高校生まで習ったピアノだけれど、今だって流行の曲を弾く。
還暦記念にピアノ初独奏会を開こうと決めた。親しい友達に、決してうまくはないが演奏を聴いてもらうのだ。昔は楽譜も見えたし、暗譜だってできたのに、小さな音符がよく見えない。演奏会にメガネじゃ冴えないから思い切ってコンタクトレンズにしようと思い立ち、眼科に出かけた。
「レンズを入れて、外す練習をしてください」と眼科医が言う。
鏡の前に座って、柔らかいレンズを片目づつ装着。次に外すのだが、あれ?指が宙をつかむ。あと一歩のところで目ん玉に指が近づかないのだ。
「外さないと帰れないよ」と指導される。夫や長いネイルの娘だって簡単そうに使っているのだから大丈夫、と自分を励ます。
「できた」。よく見えるし外見も変わらない。世界が明るくなったと気分爽快で帰宅した。あ、新たな挑戦って、ピアノ独奏会よりも初コンタクトレンズだったんだ。

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賞金5万

Autour

さかもと ずんこ

Theme3 - 新たな挑戦

もう一度、もう一歩

今日から新たな挑戦をする、と決めた。
今からでも遅くない。
だっていま、この瞬間が一番若いのだから。

新たな挑戦その1・・・

新たな挑戦その1、諦めていた教師という職業に
また挑みたいと思った日。

久しぶりに実家に帰ったら、近くのスーパーでばったり、中学の恩師に会った。

変わらないわね、夢は叶ったの?

先生、僕の夢を覚えてるんですか?

ええ、社会の先生になる、私のような。そう言ってくれたわ。

僕はなれなかった、いや、ならなかったのかも。

違う夢が見つかったの?

いえ。今は頼まれて、実家の仕事を手伝っていますが、まだ未練はあります。

「たとえば、今日鍋にしようと決める。だから白菜を買う。なんでも準備すればできるものよ。教師になる夢がまだあるなら、準備をすればいい。そんなに変わらないわ」と微笑んで、またねと言って去っていった。

僕はこんな風に爽やかに人生を指南してくれるあの先生みたいになりたいんだ。
先生の背中に向けて小さな一礼をし、スーパーを出た。教師になりたいと思わせてくれた母校を急に見たくなって、昔の通学路を走りだしていた。

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賞金5万

Autour

小野立夏

Theme2 - 不惑を過ぎて

迷う

友人が老眼鏡をかけてスマホを見ている。
「やだ〜老眼鏡?私まだ大丈夫よ。」

それは嘘。本当はわたしも手元が見えにくくなっている。
…これが老眼のはじまりなのかな。
でもなんとなく言えない。
わたしは老化を受け入れることができない。

オフィスのラウンジで小休止中、窓ガラスに森くんが映った。32歳独身、半年前から部下でポーカーフェイス。まるで心の内が読めないんだよね。と、不意にガラス越しに鋭い視線とぶつかる。忘れてた! 先週彼に企画書を預かってたんだ。いや、ざっと目は通した。正直言って、内心がっかり。精鋭だと送り込まれた男だった。「森さん、レイの企画書の件なんだけど」 「もういいですよ。忘れてください」 思いがけず、きっぱりとした拒絶がきた。その冷たい後姿に、胸騒ぎがした。 慌ててデスクに戻り、今度は丁寧に読む。やはり印象は変わらない。しかも未完成って何? すると最後の一行にポストイット発見。手書きの文字が細かすぎると、イラっとしてルーペを取り出す。素早く周囲を確認した。 “ランチミーティングをしませんか?” ……すぐにレンズ、変えよう。新しいわたしに新しいコンタクトを! 神様、まだ間に合いますか? 間に合います、よね?

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賞金5万

Autour

神有 珱

Theme4 - 忘れたい過去

なかったことに

誰にだって、忘れたい過去がある。
思い出したくもない、いわゆるあの黒歴史。

あの頃のわたしは…

「ブスは何したってブス!努力しても無駄!」
高校の時、彼女に言った言葉。
当時モテまくってたわたしは調子に乗っていた。
今だから言える。あれは照れ隠しだったんだ!

「…で?」
仁王立ちの妻の足元で、言い訳と土下座をするわたし。
何で喧嘩するたびに「過去」を蒸し返す?
それと今は関係ないじゃないか!
...なんて言ったら、
わたしが忘れている過去をまた掘り起こすに決まってる。
今はひたすら謝り続けるしかない。
あの時の失言を、ずっと引きずるなんて思わなかった。

もう一度高校生に戻って修正したい、マジで。

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賞金5万

Autour

ハナ

Theme4 - 忘れたい過去

なかったことに

誰にだって、忘れたい過去がある。
思い出したくもない、いわゆるあの黒歴史。

あの時のわたしは・・・

黒縁メガネの喪女だった……。

あぁ、眼鏡屋の店員さんよ。何故に、コンタクトレンズも取り扱っている事、教えてはくれなかった?

でもいいの、それも今は遠い話。
私は紆余曲折の末、自力でコンタクトレンズという強い味方と出会ったのだから。

強度ゆえの瓶底も、それをカバーするぶっとい黒のセル枠も。
今となっては懐かしい。
就職のタイミングに間に合っただけでも御の字だ。

夫は言う。
「眼鏡のが楽でいいじゃん」
嘘を吐け。夫とは大学で同じサークルだったけど、付き合ったのは卒業後のOB会だ。
私はコンタクトレンズにより就職先と、このちょっと間の抜けた夫をゲット出来たのだ。

だけどそう、きっとコンタクトレンズはきっかけに過ぎなかった。変わったのは見た目じゃなくて、私の心。
ぶ厚いレンズを取り去ってこの目に見る世界はなんとも眩しくて、自然と気分が前向きになったのだ。

不思議な物だ。全ては自分の心ひとつ。
だけど私にとってコンタクトレンズとの出会いは契機。今後もよろしく、相棒。

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